2005.6.17〜19 新宿 シアターブラッツ 
即興演劇 FREECRUZ第29回公演「TOW」闘


(写真協力:TOMO&マイアミ)

舞台衣装で

2005年6月17日(金)~19日(日)
新宿シアターブラッツ

2005年6月17日(金)
フリークルーズ第29回公演 「 TOW - 闘 - 」 レポート

新宿厚生年金会館の向かいに位置する『 シアターブラッツ 』
という劇場で行われた即興劇。
“ 即興演劇集団 ”のフリークルーズの第29回公演「 TOW - 闘 - 」に
即興音楽パフォーマーとしてMAYUKOが出演した。

19時30分開演。
暗闇の館内の中から一筋の光が差し込む。
観客席の袖口から白のベールに身を包んだMAYUKOが天使姿で登場。
バスケットに詰められた紙(観客が無作為に書いたせりふや言葉)を手に握り、
少しずつステージに落としていく。
右手に左手にと散らしながら歩は進む。
天使姿のMAYUKOが背景に消えるとフリークルーズのメンバーが登場。
ダンスといくつかの短い即興劇のあと、MAYUKOは天使として再登場。
キーボードとマイクの前に座り 『 闘い 』をテーマにした歌を奏でた後、
観客から寄せられた“ 飛車 ”というタイトルでの即興劇がはじまる。

将棋という静かに蠢く精神の削り合いという『 闘い 』に身を投じる二人の男。
飛車という動きの早い駒の行方が男達の明暗を劇的に分けてしまう。
時は刻々と勝ち続ける男に潜む“ 油断 ”と、
負け続ける男に授けられた“ 切り札 ”を描き始める。
勝ち続けた男にもやがて敗北が訪れる。
そう、“ 高飛車 ”という傲慢さによって!
『 こ、コレが伝説の…高飛車…っ…!ま、負けた… 』
鋭角に切り込まれたまさに“ 王手飛車取り ”とも言うべき圧巻な即興に
会場が興奮と大爆笑の坩堝と化した。
続けざまに愕然と項垂れる(うなだれる)敗北者に慰みの即興カンタービレが
天使となったMAYUKOから届けられる。
『♪♪ 勝つことばかり考えてはだめ…勝負にばかりこだわってはだめ…
大切なのは…大切なのは… “ 高飛車 ” ♪♪ 』

と、泣きっ面に蜂とばかりに喰らわすと、
会場からは悲鳴にも似た大爆笑と割れんばかりの拍手喝采。
完全に即興演劇集団の仲間入りしたMAYUKOがそこにいた。

出演者と観客と作り上げる強力な一体感。
爆笑が感動に変わったフィナーレは、
いつまでも続くように感じられた拍手の中に迎えられた。

(Text by マイアミ)