MAYUKO ACOUSTIC LIVE vol.45 2005年9月21日(水)
ニ〇〇五年九月二十一日(水)
MAYUKOさんにとって、四十五回目のライブが、
吉祥寺曼荼羅で行われた。
<セットリスト>
1.『決意』
2.『そばにいて』(新曲)
3.『I'm happy when you're happy』
4.『秋の海辺』
5.『君に会いたくて』(中原麻衣さんへの提供曲)
6.『蒼空』
八、九月と、「ゆうまお」としての活動が多く、
「MAYUKO」としては、久しぶりのライブであり、
今年後半に向け決意も新たに、ということで
一曲目『決意』
いつもの力強い“決意”ではなく、
この日この曲はやわらかい調によって届けられた。
一つ一つ丁寧に紡ぎだされた詞(コトバ)が、
会場全体を優しく包み込むような、
懐の深い曲となっていました。
しかし、そこに込められた“決意”は揺るぎないものでした。
歌っている最中、MAYUKOさんは、必ず聴衆を見つめる。。
「今日いま、この唄をあなたのために歌っています」と、
語りかけるかのように。
さらにこの日は、一曲歌い終わると、客席を明るくしてもらい、
ライブに駆けつけた一人一人に視線を送り、感謝の意を表していました。
MAYUKOさんのライブが決して一方通行のものでなく、
演奏する側、聴く側お互いが、創りあげていっているものだと、
証明している場面でした。
二曲目は、何を歌うか数日前から、かなり迷ったそうです。
そうして選曲されたのが、ライブの前日に出来上がったという
正に産声を上げたばかりの新しい歌『そばにいて』
この夏のMAYUKOさんは、人に相談をしたりされたりということが、
多かったとのこと。そんな中から生まれた曲。
“その瞳が叫んでいた「僕の心にさわって」と”
“その瞳が叫んでいた「君の心を見せて」と”
“恋をして夢をみて、あげく残った傷跡ーその傷に特効薬はない”
“恋をして夢をみて、あげく残った傷跡ーそれさえも
笑える日がいつか来ると、教えてあげる”
誰かに相談をする、求めるものは“こたえ”ではなく。
「人の温もり、優しさ、心のふれあい」
そして、
“恋をして夢をみて、あげく残った傷跡、笑える日が今日来たんだ”
“もう少しだけ、もう少しだけ、そばにいて”
初めて聴く曲であってもMAYUKOさんの歌声、詞(コトバ)は、
心にきちんと届けられる。
MAYUKOさんの歌の特筆すべきところです。
二曲目を歌い終えると、サポートメンバーを招き入れる。
MAYUKOライブでは、初となるバイオリン、岩出なつみさん。
(岩出さんはMAYUKOさんの大学の後輩)
アコースティックギター、秋月良太さん。
(秋月さんはCD「蒼空」にも参加されています。)
出会ってまだ間もないにもかかわらず、MAYUKOさん曰く
「親友オーラがめちゃめちゃでている」という三人。
ここからは、その三人による調和(おと)がライブを作り上げていく。
「CD蒼空の中から一曲お届けしたいと思います。」
「夏のすごくシアワセな歌です。聴いてください。」
三曲目『I'm happy when you're happy』
ふるさとののどかな風景、大切な人と過ごした夏休み。
そこで誓う永遠の愛ーそれがお互いの想いでありますように、と願った曲。
MAYUKOさんの歌声と初めて交わるバイオリンの音が、
ふるさとの懐かしい風を連れてきてくれました。
「次は秋の曲を用意してきました。」
「長く付き合っている恋人同士の曲。
長く付き合っているから、口に出さなくてもわかる相手の気持ち。
故に分かってしまった別離。そんな二人が目指した場所は海」
四曲目『秋の海辺』
“私はあなたの何を知っていたんだろう”
“あっけなく崩れていく、私達まるで砂の城”
掌からこぼれおちた“悲しみ”“切なさ”を掬い取るがごとく
切なくも優しき歌。
情感たっぷりに歌い上げるMAYUKOさんの歌声が、
切なく心に響く。そしてバイオリンの音が、
歌の世界をさらに深遠なるものにして、
会場全体を包み込んでいきました。
=涙で心を洗うアーティスト=
MAYUKOさんの真骨頂とでも云うべき一曲でした。
五曲目『君に会いたくて』
BLOGの中で、「今回のゆうまおセルフカバー曲は、初披露の歌」
との告知があり、この曲を楽しみにしてきた方も多かったようです。
“会いたくて会いたくて夕暮れの駅前を行ったり来たり”
“街灯が照らされて、帰ろうかな、もう少し待とうかな”
“差し出した冷たい手を握ったらほら、わかるよね。すべてのこと”
大好きな彼に会いたくて堪らない気持ちを、素直に書いた曲。
ここで次回ライブの告知、CDのPRなどお知らせごとを、
いくつかまとめて紹介。
そして。
今回のライブの最後の曲『蒼空』
「自分にとって大切な人がいる。大切にしてくれる人がいる。
自分も大切したい人がいる。それだけで明日もがんばっていける」
そういう気持ちが込められた一曲。
ご自身もびっくりの=ごめんなさい=もありましたが、
澄み切った歌声が、夏よりもすっかり高くなった秋の青い空のように、
心をとても晴れやかにしてくれました。
心地よい風に吹かれているのように。
四十分弱のライブでしたが、満足感一杯。
ここ曼荼羅に集った人たちの笑顔がそれを物語っていました。
MAYUKOさんは、大きすぎる愛を決して歌わない。
途方もない夢を見させることもしない。
人々が日常の中で抱く“想い”“願い”“喜び”“哀しみ”
そして時には“苦しみ”さえも歌に込めて伝え続ける。
だからこそ、こんなにも多くの人が惹きつけられるのだと思います。
これこそが、MAYUKOさんの歌、そしてライブの真髄なのでしょう。
最後にラジオで約束してしまったがために、
この日MAYUKOさんはミニスカートをはいてのライブ
(ご本人曰く「一人ミニスカナイト」)であったことを記して、
レポートを終えます。
(text by マース)
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