2005.4.15 東京駅 Break Station Live (vol.10)


写真協力 とっちぃ~

2005年4月15日 通算10回目のBreak Station Live

〈ライブレポート〉

 
2005年 4月 15日 ( 金 ) 東京駅 Break Station Live Vol.10
 
~ 桜咲く季節 日常の中にある幸せを大切に 世界平和の願いを込めて 歌い続けたい
いつまでも ~
 
この日のMAYUKOさんは
桜の季節にぴったりのふくよかな真心の篭った歌と、
さまざまな願いの込められた楽曲を揃え、
時に涙をこらえながら力強く歌い、演奏し、
詰め掛けた大変多くの方からあたたかい拍手をいただく感動的なステージとなりました。
 
 
< セットリスト >
1. 春の風とアスファルト
2. 幸せな右手
3. 木の葉日和 (中原麻衣2ndシングル「ロマンス」カップリング曲)
4. オオカミと少女
5. 決意
6. ねがい(映像)
 
おもむろにピアノによる前奏が軽やかにスタートしました。
『 “ 桜 ”が出てくる歌 』という「 春の風とアスファルト 」が本日のステージの幕開けでした。
2004年の Break Station Live 2 以来の演奏です。
 
“ 去年まで綺麗だった桜の帰り道は 今はアスファルトに変わってしまった たった一本だけ残して ”
思い出を探す主人公の揺れる気持ちが描かれた静かで力強い楽曲です。
 
続いて歌われた楽曲には同じく“ 桜 ”が登場する「 幸せな右手 」
『 いつも幸せは気がつかないくらい近くにあるから、
心配しないで笑顔でいるだけでいいんだよ、ということを歌っている曲です。 』とMC。
 
 
“ いつか話した桜の景色を あなたは楽しみに待っていたんだよね ”
“ たとえば あなたの右手に私の人差し指がずっと絡まったまんまで少し幸せ ”
2003年の MAYUKO Live 23 以来の演奏となったこの歌は、
ほんのりと幸せ感漂うゆるやかな旋律が流れ、とても聴き心地の良い曲です。
 
3曲目のMCで、現在TBSラジオで行っている「中原麻衣・ゆうまおの@ミニシアター」についてお知らせし、
中原麻衣さん提供楽曲、「 木の葉日和 」をワンコーラス演奏しました。
 
“ 色とりどりの木の葉日和 思い出こんなに色づいたね
これからもっと大きくなる 幸せ色した二人 ”
季節が変わるにつれて強くなっていく想いを歌った穏やかな楽曲です。
 
4曲目はお伽話しをコンセプトに描かれ、
メルヘンから一変、テーマは“ 許されない恋 ”になった「 オオカミと少女 」
今回のハイライトとも言える圧倒的な演奏でした。
 
全神経を集中し、ずっしりとキーボードが重く放たれ、前奏がスタートしました。
震える声と指先が正確にコントロールされ、演奏に鬼気迫るものを感じます。
涙と共にうっすらと肌が除々に紅潮していきます。
 
“ どんなにあなたが優しくても一緒に生きることはできない
裸足のままで走りだせば あとからあとから赤い涙が溢れる ”
“ オオカミと少女は決して結ばれない 解っていたことだった ずっと ”
“ それはまるでお伽話しのよう 私たちの物語 ”
 
精神集中状態から開放され、どうにか現実に戻ろうとするMAYUKOさんの姿に鳥肌が立ちます。
お伽話しから現実世界にチャンネルが切り変わる歌詞の描写がとても素晴らしい楽曲です。
今回、歌詞や構成に多少変更箇所があり、この楽曲が進化を続けていることを窺わせます。
 
『 私にとって非常に大切な2曲を歌いたいと思います。
ちょうど今新しいスタートをする方、新しい生活をされる方、新しいお仕事に就いた方へ
新しい風が吹いている、そんな季節です。この曲を歌うたびに原点に戻るような、
自分の大事なものをもう一度見つけられた気分になります。 』
 
というMCから始まった5曲目は「 決意 」
 
“ 明日から僕はゼロになる てすりのない社会を歩いていく
それを怖がるな大丈夫だと 心に決めたんじゃないか ”
 
MAYUKOさんが大学を卒業する時に作られた、
東京駅にぴったりの楽曲です。
MAYUKOの代表的な楽曲の一つとも言われるこの曲が、
ちょうどこの季節に歌われると一層心に響くものがあります。
 
この日最後の演奏曲は「 ねがい 」
 
『 私の願いがたくさん詰まった曲。
この曲を歌う前にいつもどんな話しをしようか迷うけれど いつも同じことを話すことになります。
テレビをつけるといつも悲しいニュースが流れている。毎日悲しい出来事が起こっています。
悲しくないニュースを見たいなぁっていつも思う。
なんでこんな風になっちゃうんだろうって胸が痛くなる。
一言で言うとこの歌では“ Peace - 平和 - ”を歌っています。 』
 
“ 私は願う 笑顔の絶えない日々を 誰が壊してもいけない
みんな同じ 愛を授かった ”
 
平和と愛が世界中に広がることを祈っているこの歌には様々な感情と観念が描かれています。
憤り、懐疑、悲しみ、絶望、感謝、約束、幸福、そして、願い。
私たちが幸せを感じている時には、世界のどこかでは不幸せがあるかも知れない。
 
愛情ある人間が静かに胸に手を当てて自分の無力さを受け入れる時、
そこにあるのは純粋な祈りや願いだけのような気がします。
 
この曲の冒頭では、
“ 長かった冬も過ぎ去り 訪れる春の匂い
日射しこぼれる並木道 君と歩きたかった ”と歌われており、
季節感を決して無視しない、今回の“ 核 ”ともいえる楽曲であったと思います。
 
MAYUKOライブにはいつも「 平和への祈り 」と「 愛 」が込められていますね。
東京駅という公共性の高い場所での演奏の場合、選曲の方向性が固着することもあると思います。
 
それにもかかわらず、今回のステージは季節感を重視しながら、
迷いなくMAYUKOの世界観を表現した素晴らしいライブであったと思います。
悲壮感の一切ない暖かい愛情に包まれた30分間でした。
本日も幸せいっぱいのステージをありがとうございました!
 
 ( Text by マイアミ )